これをみればミニ株のすべてがわかります!
ミニ株という株取引を知っていますか?
株式の取引は通常100株単位で行なわれます。一方、ミニ株では1株単位で取引を行なうことができます。
資金が少ないために今まで買うことができなかった銘柄を買うことができます。いろいろな銘柄を少しずつ買うこともできます。
ミニ株は少額で気軽に始めることができる株式です。そこで、ここから、主なミニ株の種類としくみ、ミニ株のメリットとデメリット、取引のポイントなどについて解説します。
これから株式投資を始めようとする方やミニ株に興味がある方におすすめの内容です。
ミニ株の種類としくみ
ミニ株とは1株単位で取引ができる株式で、現在数社の証券会社がサービスを提供しています。サービスの名称やしくみは各社がそれぞれ決めています。
主なミニ株のサービスとしては以下の6つがあります。
- SBI証券の「S株」
- SBIネオモバイル証券の「S株」
- マネックス証券の「ワン株」
- auカブコム証券の「プチ株」
- LINE証券 (名称なし)
- 野村證券の「まめ株」
尚、株主としての権利は共通であり、下記の通りとなります。
- 配当金と株式分割は保有株数に応じて受け取ることができる。
- 株主優待と株主総会の議決権は、権利のために必要な株数(通常は単元株数)を保有すると受け取ることができる。
それでは、それぞれのサービスのしくみについて見ていきましょう。
1. S株 (SBI証券)
S株はSBI証券とSBIネオモバイル証券が提供しているミニ株のサービスです。ここではSBI証券が取り扱うS株について説明します。
取扱銘柄
- 買える銘柄は東京証券取引所の上場銘柄です。
- 売れる銘柄は東京、名古屋、福岡、札幌の各証券取引所の上場銘柄です。
- 元々売買単位が1株の銘柄など一部の銘柄は取り扱っていません。
取扱時間
- インターネット取引は24時間注文を受け付けています。
- 電話による取引は営業日の8時~18時です。
- 営業日以外の注文は翌営業日の10時30分までの注文として取り扱います。
注文の方法と手段
- 売買の注文方法は成行のみです。
- 注文の数量は1株からです。ただし、単元株数以上の注文はできません。
- 注文の手段はインターネットまたは電話による受付です。
約定
- 0時00分~10時30分の注文分は当日の後場の始値で約定します。
- 10時30分~21時30分の注文分は翌営業日の前場の始値で約定します。
- 21時30分~24時00分の注文分は翌営業日の後場の始値で約定します。
手数料
- インターネット取引の場合は約定金額の0.5%(最低50円)(税抜)です。
- 電話による取引の場合は約定金額の6.48%(最低2,160円)(税込)です。
- 買い増しなどにより保有株数が単元株数に達した場合、単元株を売るときの手数料は、通常の株取引と同じ手数料体系となります。
NISA
- NISAの対象となります。
S株の詳細はこちら → S株投資を始めるにあたって
2. S株 (SBIネオモバイル証券)
SBI ネオモバイル証券は、SBI 証券とCCCマーケティングとの合弁会社です。CCCマーケティングは、日本最大の共通ポイントサービスであるTポイントを展開している会社です。
尚、SBIネオモバイル証券のS株は、SBI証券のS株と名称は同じですが、サービスのしくみが違いますので注意願います。
取扱銘柄
- 買える銘柄は東京証券取引所の上場銘柄です。
- 売れる銘柄は東京、名古屋、福岡、札幌の各証券取引所の上場銘柄です。
取扱時間
- 24時間注文を受け付けています。
- 営業日以外の注文は翌営業日の10時30分までの注文として取り扱います。
注文の方法と手段
- 売買の注文方法は、単元未満株については成行のみです。
- 注文の数量は1株からです。
- 注文の手段はインターネットのみです。
約定
- 0時00分~10時30分の注文分は当日の後場の始値で約定します。
- 10時30分~21時30分の注文分は翌営業日の前場の始値で約定します。
- 21時30分~24時00分の注文分は翌営業日の後場の始値で約定します。
手数料
- 月額制となっています。1ケ月の約定金額により下記の通り設定されています。
- 50万円まで:200円
- 300万円まで:1,000円
- 500万円まで:3,000円
- 1,000万円まで:5,000円
- 以降100万円ごとに1,000円加算されます。 * 上記手数料はいずれも税抜金額です。
NISA
- NISAの対象外となります。
その他
以下のようなTポイントを利用した取引サービスがあります。
- Tポイントを使ってS株を買うことができます。1ポイント=1円の換算です。
- サービス利用月の翌月に、Tポイントが、利用料100円(税抜)につき1ポイントと一律200ポイントが付与されます。尚、200ポイントは期間固定ポイントです。
- サービス利用料の支払いにTポイントを使うことはできません。
S株の詳細はこちら → SBIネオモバイル証券
3. ワン株
ワン株はマネックス証券が提供しているミニ株のサービスです。
取扱銘柄
- 買える銘柄は東京証券取引所と名古屋証券取引所の上場銘柄です。
- 売れる銘柄は東京、名古屋、福岡、札幌の各証券取引所の上場銘柄です。
- 元々売買単位が1株の銘柄など一部の銘柄は取り扱っていません。
取扱時間
- 当日分の注文の受付は午前11時30分までです。11時30分から17時までは注文を受け付けていません。
- 17時以降の注文は翌営業日の注文として取り扱います。(一部の銘柄は15時40分以降です。)
- 電話での取引の場合は営業日の8時~17時です。
- 営業日以外の注文は翌営業日の注文として取り扱います。
注文の方法と手段
- 売買の注文方法は成行のみです。
- 注文の数量は1株からです。ただし、単元株数以上の注文はできません。
- 注文の手段は、インターネット(パソコン)または電話による受付です。携帯サイトからの注文は受け付けていません。
約定
- 当日の午前11時30分までの注文は当日の後場の始値で約定します。
- 当日の17時以降の注文は翌営業日の後場の始値で約定します。
手数料
- インターネット取引の場合は約定金額の0.5%(最低48円)(税抜)です。
- 電話による取引の場合は約定金額の1.0%(最低1,905円)(税抜)です。
- 買い増しなどにより保有株数が単元株数に達した場合、単元株を売るときの手数料は、通常の株取引と同じ手数料体系となります。
NISA
- NISAの対象となります。
ワン株の詳細はこちら → ワン株は儲かる?しくみや取引のポイントを教えます!
4. プチ株
プチ株はauカブコム証券が提供しているミニ株のサービスです。
取扱銘柄
- 買える銘柄は東京、名古屋の各証券取引所の上場銘柄です。
- 売れる銘柄は東京、名古屋、福岡、札幌の各証券取引所の上場銘柄です。
- 元々売買単位が1株の銘柄など一部の銘柄は取り扱っていません。
取扱時間
- インターネット取引の場合は24時間注文を受け付けています。
- 電話での取引の場合は営業日の8時~17時です。
- 営業日以外の注文は翌営業日の注文として取り扱います。
注文の方法と手段
- 売買の注文方法は成行のみです。
- 注文の数量は1株からです。ただし、単元株数以上の注文はできません。
- 注文の手段はインターネットまたは電話による受付です。
約定
- 0時00分~10時00分の注文分は当日の後場の始値で約定します。
- 10時00分~23時00分の注文分は翌営業日の前場の始値で約定します。
- 23時00分~24時00分の注文分と営業日以外の注文分は翌営業日の後場の始値で約定します。
手数料
- インターネット取引の場合は約定金額の0.5%(最低48円)(税抜)です。
- 電話による受付の場合は上記金額に2,000円(税抜)が加算されます。
- 買い増しなどにより保有株数が単元株数に達した場合、単元株を売るときの手数料は、通常の株取引と同じ手数料体系となります。
NISA
- NISAの対象となります。
プチ株の詳細はこちら → ネット証券会社【auカブコム】
5. LINE証券
LINE証券は、野村證券の親会社の「野村ホールディングス」とLINEの子会社の「LINE Financial」の合弁会社です。
尚、LINE証券が提供するミニ株については名称は付けられていません。
取扱銘柄
- 東京証券取引所の上場100銘柄です。尚、100銘柄はLINE証券が選んだ銘柄で、東京証券取引所の全銘柄の時価総額の約60%をカバーしています。
取扱時間
- 日中取引は営業日の9時~14時50分(11時20分~11時30分、12時20分~12時30分を除く)、夜間取引は同じく17時~21時です。
- 営業日以外の注文は受け付けていません。
注文の方法と手段
- 注文の数量は1株からです。
- 注文の手段はスマートフォンのみです。
約定
- LINE証券が基準とする価格(市場価格など)に所定の取引コストを加味した提示価格により即時に約定します。
- 提示価格は注文時に取引画面に表示され、約5秒ごとに更新されます。
- 取引コストは、日中取引:0.05%、夜間取引:0.5%です。
手数料
- 手数料は無料です。
NISA
- NISAの対象外です。
LINE証券の詳細はこちら → LINE証券
その他
- LINE証券へのアクセスはLINEアプリからできます。
- LINE内のサービスやLINE証券のキャンペーンなどで獲得したLINEポイントを投資に利用することができます。
6. まめ株
まめ株は野村證券が提供しているミニ株のサービスです。
取扱銘柄
- 買える銘柄は東京、名古屋の各証券取引所の上場銘柄です。
- 売れる銘柄は東京、名古屋、福岡、札幌の各証券取引所の上場銘柄です。
- 元々売買単位が1株の銘柄など一部の銘柄は取り扱っていません。
取扱時間
- インターネット取引は、平日の6時~14時と15時35分~翌日2時、休日(土- 日- 祝)の6時~翌日2時 です。
- 店頭、電話による取引は平日の8時40分~14時です。
注文の方法と手段
- 注文の数量は1株からです。ただし、単元株数以上の注文はできません。
- 注文の手段は店頭、電話、インターネットです。
約定
- 約定価格は端株取次業者が指定した市場での取引日の終値となります。
手数料
- インターネット取引の場合は約定金額の1.0%(最低500円)(税抜)です。
- 店頭、電話による取引の場合は約定金額の1.3%(最低2,600円)(税抜)です。
- 買い増しなどにより保有株数が単元株数に達した場合、単元株を売るときの手数料は、通常の株取引と同じ手数料体系となります。
NISA
- NISAの対象です。
まめ株の詳細はこちら → 【投資初心者向け】まめ株のおすすめポイントやおすすめ銘柄を紹介!
各サービスの特徴
各サービスの内容をもとにそれぞれの特徴(メリット・デメリット)を見ていきましょう。
各証券会社が独自の取引ルールを設定しているため、どのサービスが最も優れているかは一概には言えません。
これからミニ株を始める方は、各サービスの特徴を十分理解して取引を行ないましょう。
1. S株(SBI証券)
- 元々売買単位が1株である銘柄をミニ株として買うことができない。
- インターネット取引で24時間注文が可能。
- 電話での注文にも対応。
- 手数料が他社に比べて高めである。
- NISAの対象となる。
2. S株(SBIネオモバイル証券)
- インターネット取引で24時間注文が可能。
- 手数料が月額制となっており、約定金額が50万円までは220円(税込)で取引がし放題。Tポイントが月に200ポイント付与されるので、Tポイントを利用している方は実質手数料が無料に近い。
- NISAの対象外である。
3. ワン株
- 元々売買単位が1株である銘柄をミニ株として買うことができない。
- インターネット取引が24時間対応でない。
- 電話での注文にも対応。
- 携帯サイトからは注文できない。
- 手数料は業界最安値水準である。
- NISAの対象となる。
4. プチ株
- 元々売買単位が1株である銘柄をミニ株として買うことができない。
- インターネット取引で24時間注文が可能。
- 電話での注文にも対応。
- インターネット取引の手数料は業界最安値水準である。
- NISAの対象となる。
5. LINE証券
- 取扱銘柄が東京証券取引所の上場100銘柄と少ない。
- 日中に注文を受け付けていない時間帯がある。
- 営業日以外の注文は受け付けていない。
- 約定価格が市場価格に取引コストが加味された価格である。
- 注文の手段がスマートフォンだけである。
- LINEポイントを投資に利用することができる。
- NISAの対象外である。
6. まめ株
- 元々売買単位が1株である銘柄をミニ株として買うことができない。
- インターネット取引が24時間対応でない。
- 店頭、電話での注文にも対応。
- インターネット取引の手数料が他社に比べて高めである。
ミニ株のメリットとデメリット
ミニ株の主なメリットとデメリットについて説明します。株取引を行なうときには、投資商品のメリットとデメリットをよく理解してから始めることが重要です。
メリット
1. 手軽に株式投資を始めることができる
ミニ株では本来100株単位でしか買えない銘柄を1株単位で買うことができます。資金が不足していて株式投資ができなかった方や損失がでることに抵抗があった方でも始めることができます。
2. 自分の好みの時期に買うことができる
通常の株取引では100株分を買う場合は1回しか買えません。ミニ株ではまとまった資金があれば複数回買うことができます。自分が買いたい時期に買うことができます。
株価の安い時期に買うことができると、利益を増やしたり、損失を少なくすることが可能となります。
3. 複数の銘柄を買うことができる
通常の株取引では100株分の資金でひとつの銘柄しか買えません。しかし、ミニ株では いくつもの銘柄を買うことができます。銘柄を分散させることで、ひとつの銘柄を高値で買うリスクを抑えることができます。
デメリット
1. リアルタイムで取引ができない (LINE証券を除く)
ミニ株の最大のデメリットと言えます。取扱時間、注文の方法や手段、約定のし方など取引ルールで制限されるので、通常の株取引と違い、リアルタイムで取引を行なうことができません。そのため、自分が希望する価格と約定価格に差がでることがあります。
2. 大きな儲けが期待できない
ミニ株は投資金額自体が小さいために、大きな儲けは期待できないと言えます。通常の株取引では大きな儲けを得られることがあります。ミニ株では大きな儲けが期待できない分、物足りなさを感じる方がいるでしょう。
ミニ株の利益の出し方
株式投資を行なう方が最も知りたいことは「どうしたら儲かるのか?」ということです。ミニ株で利益を出す方法は大きく分けて3つあります。いずれの方法も考え方は通常の株取引と同じです。
1. 売却益で利益を得る
ミニ株も株価の動きを見て売買を行なうことができます。したがって、安いときに買って高いときに売れば、その差が利益となり儲かることになります。ひとつの取引で得られる利益は少ないかもしれませんが、積み重ねることで増えてきます。
【ここに注意!】
株価の動きの予測が利益を得るためのポイントになります。通常の株取引と同様にマーケットの動きを注視しましょう。
2. 配当がもらえる銘柄へ投資する
上場企業の中には株主に利益を分配する企業があります。分配されたお金のことを配当金と言います。配当金は1株単位で支払われるため、ミニ株では1株でも保有していると配当金を受け取ることができます。
【ここに注意!】
上場企業は、利益をだしていても株主に利益を分配せずに、事業投資など他の用途として使うこともあります。また、赤字など業績が悪いために配当金をださない場合があります。今多くの配当金をだしているからといって今後の保証はされません。配当金を目的とする場合は投資先を選ぶときに注意しましょう。
3. 株主優待がある銘柄へ投資する
株主優待は、通常は株式を指定された期間保有すると、企業から商品やサービスなどの特典を受け取ることができる制度です。自分の好みの株主優待を提供している企業に投資をすることで、魅力的な特典をゲットすることができます。
【ここに注意!】
ミニ株で株主優待を受け取るためには、保有株数を株主優待を受け取るために必要な株数(通常は単元株数)まで増やす必要があります。尚、株数を増やす場合には、株価の動きをよく見て高いときに買わないように注意しましょう。
まとめ
ミニ株が向いている方は?
ミニ株はどのような方に向いているのでしょうか?
これまで説明したミニ株の特徴から、主に、以下に該当する方におすすめと言えます。
- おおよその年齢層としては20~30才ぐらいの方
- 株式投資を始めたい方、株式投資を勉強したい方
- 資金不足のためにこれまで株式投資ができなかった方
- 複数の銘柄で分散投資を行ないたい方
- 株式投資でできるだけ損失をだしたくない方
- 株価の高い銘柄を買いたい方
取引のポイント
これからミニ株の取引を行なう方のために大切なポイントを説明します。
1. 銘柄と時間を分散させましょう!
株式投資では損失のリスクを少なくするために分散投資が基本となります。ひとつの銘柄に一度に多くの資金を投資すると大きな損失になる恐れがあるからです。ミニ株は少額による分散投資が可能です。したがって、まとまった資金があるときでも、複数の銘柄に買う時期をわけて投資するようにしましょう。
2. NISA口座を上手に利用しましょう!
NISA口座では投資金額が120万円まで非課税となります。通常の株取引では100株単位で買うために、非課税枠の全額を使い切れずに残ってしまうことが多いです。また、株価が非常に高い銘柄では、投資金額が120万円を超えてNISA口座を使えないこともあります。しかし、NISAの対象となるミニ株を上手に利用すれば非課税枠を有効に使うことができます。
3. ミニ株で大儲けをしようと考えないでください!
ミニ株で大儲けをしようと考えることは禁物です。ミニ株は基本的にローリスク- ローリターンの投資商品です。ローリスクであるからといって、大儲けをするために同じ銘柄を買い続けると投資金額が膨らんできます。その結果、気が付かないうちに損失がでていることがあります。
ミニ株の最大のメリットは1株単位の少額で取引できることです。このメリットを最大限に活かせるように取引を行なうことがポイントです。
ミニ株は通常の株取引と同様にやり方次第で損得が発生します。各社が提供しているサービスの内容も様々です。したがって、自分の取引の目的、各社のサービスのメリットとデメリットをよく把握したうえで、投資を行ないましょう。