S株投資を始めるにあたって

S株投資を始めるにあたって

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「投資」というと、難しいとか損をするリスクがあって怖いというネガティブなイメージを持つ方も多いと思います。

日本証券業協会が平成30年に全国7,000人の20歳以上の男女に投資の実態調査を行いました。その結果では株式を保有している方は全体の12.6パーセントしかいないという結果でした。

また、証券投資に対する意識に関しての質問では「十分な知識をまだ持っていない」という回答が非常に多く、証券投資に対するイメージは多くの方が「お金持ちがやるもの」と回答しています。

果たして本当にお金持ちのみが投資をするものなのでしょうか。

実はそんなことはありません。

少額から始められるS株というものをご存知でしょうか。本来は株式を買う場合は銘柄にもよりますが、まとまったお金が必要となります。しかしS株であれば数百円から数千円でも超有名企業の株主になることができます。

ここではS株の投資のメリット、デメリットを中心に買い方や売り方を含め、儲け方も具体的にご紹介していきたいと思います。

単元株とは

S株のご説明に入る前に株式投資には「単元株」というものがあります。

単元株とは、通常の株式取引で売買される「売買単位」のことです。2018年10月から日本証券取引所は単元株を100株に統一しました。東証で取引される株式が全て100株単位で通表は売買されることを意味します。

具体的に皆さんが良く知ってる会社である自動車メーカー大手の「トヨタ自動車」を例にご説明します。

トヨタ自動車の株価は2020年2月5日終値で1株7,715円です。単元株は100株ですので7,715円×100株=771,500円(手数料は考慮しない)となります。

トヨタ自動車の株式を買うには約77万円ものお金が必要となります。

ゲーム機大手の任天堂の株価は40,430円となり単元株はトヨタと同じく100株ですから400万以上の資金が必要となります。

株式投資初心者の方は知識も十分でないのにいきなり大きな金額を投資するのは躊躇してしまうと思います。そこで、100株単位の株式投資ではなく、1株単位で投資可能なS株をご紹介します。

S株とは

S株とはネット証券大手のSBI証券が行っているサービスを指し、通常100株単位で買い付けする株式を単元未満株(1株単位)で買い付けすることができるサービスとなります。

メリット・デメリット紹介

S株を売買することのメリット・デメリットをご紹介します。後ほど具体的にS株をどのように売買すれば良いのか、利益を出すための具体的なテクニックもご紹介しますが、まずは全体的にメリット・デメリットを把握して下さい。

メリット

  • 1株単位で売買可能なので少額から株式投資を始めることができる
  • 配当を受け取ることができる
  • まずは少額から少しずつ投資を始めてみたい方にぴったり
  • 値下がりしても損失が少なくて済む
  • 少しずつ買い増しすることが可能
  • NISA枠の利用も可能
  • 優待を受けられる銘柄もある

デメリット

  • 全ての証券会社で単元未満株の売買取引サービスは利用不可能。SBI証券(S株)、カブドットコム証券(プチ株)、マネックス証券(ワン株)の3社のみ ※1
  • 市場への発注は1日2回。リアルタイムで市場の値段で売買は不可
  • リアルタイムで売買ができないので短期投資には向かない
  • リアルタイムで売買できないので成り行き注文でしか売買ができない ※2
  • 売買の際、手数料が単元株取引に比べて割高になる
  • 議決権はないので株主総会などに参加はできない ※3

※1 カッコ内はそれぞれの証券会社が提供している単元未満株での取引きができるサービス名です。

※2 議決権とは株主として会社の経営方針などに対して決議できる権利のことを言います。単元未満株の株主は会社の経営に参加する権利はありません。

※3 株式を売買する場合は通常の取引であれば値段を指定して売買注文を出すこともできますがS株などの単元未満株取引の場合は値段を指定して注文発注はできません。全て成行注文となります。成行注文とは値段を指定せずに注文をすることを言います。例えば買いの成行注文の場合は一番安い売り注文に対して売買成立します。

手数料解説と注文の出し方編

手数料について

S株の売買は以下の手数料がかかります。

約定代金×0.500%(税込0.550%) / 最低手数料:50円(税込55円)

約定代金というのは売買が成立した値段のことを言います。

時価1万円の株式を1株買い付けすると手数料は税込みで0.55%ですから手数料込みで1万55円となります。売る時も約定代金に対して同率の手数料がかかりますので10055円以上に値上がりしてから売らないと損失を出してしまいます。

しかし先ほど申し上げたようにリアルタイムで売買は出来ないので自分が想定していた値段で売れない可能性もあります。

S株を売買する場合の注文の出し方

次にS株の買い方、売り方について解説したいと思います。まずは証券会社の口座開設が必要となります。S株を買えるのはネット証券大手のSBI証券です。その他類似サービスを行っているネット証券はマネックス証券、カブドットコム証券です。

SBI証券はPCは勿論ですが、スマホ専用アプリがあり、簡単にS株の売買注文をモバイル端末からも出すことができます。

具体的な注文の出し方ですが通常、東証の取引時間は通常は平日の午前9時半~11時半まで(前場といいます)、午後12時30分~15時まで(後場といいます)となります。

この時間の間であれば通常の単元株での取引きはリアルタイムで値段を見ながら売買をすることが可能です。

しかしS株などの単元未満株を売買する場合は取引方法が異なります。

以下をご覧ください。

【東証(1部・2部・マザーズ・JASDAQ)上場銘柄】

  • 00:00~10:30 に注文発注→当日後場始値にて約定 ※4
  • 10:30~21:30 に注文発注→翌営業日前場始値にて約定
  • 21:30~24:00 に注文発注→翌営業日後場始値にて約定

※4 始値とはある期間で最初についた株価のことを指します

このように前もって売り買いの注文を証券に出しておかないといけません。ですから短期での売買は想定していた値段よりも安く売れてしまったりすることがあります。

これにより損失を出してしまうことがあったり、思っていた金額よりも利益が少なかったということも起こり得ます。

儲け方編

ドルコスト平均法を使ったS株投資

S株で出来るだけ損失を出すリスクを減らし効率的に利益を出すテクニックを具体的にご紹介していきたいと思います。

まずドルコスト平均法という投資方法があります。これは投資を行う人なら殆どの人が知っている投資方法です。

ドルコスト平均法とは定期的に一定金額を買っていく投資方法です。

株価というのは常に変動します。会社の業績が伸びていれば値上がりを期待して買いたい人が増え株価の上昇が期待できます。逆に業績が下がれば買いたい人に対して売りたい人が増えて株価は下落していきます。

例を挙げてご説明します。

株価100円の銘柄Aがあるとします。

銘柄とはトヨタ自動車やソニーや任天堂など売買取引したい会社の名前を指します。

この銘柄の株価が現在1000円と仮定します。これを毎月10,000円分買っていくとします。

銘柄Aの・・・

1ヶ月目

株価1,000円ですから10,000円で10株購入可能です。

10,000円÷株価1,000円=10株購入可能

購入金額は10,000円…①

2ヶ月目

株価が1,500円に値上がりしました。10,000円分購入すると6.6株購入できます。

10,000円÷株価1,500円=6.6株購入可能

端数が出てしまいましたので7株購入したと仮定します。

購入額は10,500円…②

3ヶ月目

株価が値下がりし500円になったと仮定します。

10,000円÷株価500円=20株購入可能

購入金額は10,000円…③

4ヶ月目

銘柄Aの株価が1,000円に戻りました。

10,000円÷株価1,000円=10株購入可能

購入金額は10,000円…④

①~④を合計すると投資資金40,500円で47株の購入をしました。

1株あたりの平均購入株価は約861円となります。仮に株価1000円で売ってしまっても6,500円の利益が確定します。

株価が高い時には購入株数を減らすことができ、株価が安い時には株数を増やして購入をすることで平均購入単価を引き下げることでリスク分散をすることができます。

この方法は投資信託などの買い付けでも有効な投資手法です。

NISA枠を活用しよう

先ほどS株投資のメリットの部分でも記載しましたが投資をするにあたり、是非活用して欲しいのがNISA(ニーサ)の活用です。

NISAとは株を購入してから5年間の間、毎年120万円までの購入金額に対して売却した場合の売却益と配当金は非課税となる税度です。買い付け金額120万円がその後5年以内にいくら値上がりしても売却益は非課税です。

通常であれば売却益に対して20.315パーセントの税金がかかりますので断然NISA枠を使っての株式投資をお勧めします。

NISA枠を活用するには証券口座とは別にNISA口座に申し込む必要がありますので

その点は注意して下さい。

今から証券口座を開設しようと考えてる方はNISA口座も併せて申し込みをすることをお勧めします。

またS株投資であれば1株単位で株を購入できる為、年間120万円のNISA枠を無駄にすることなく活用できます。

1点、注意してほしいのがNISA口座で損失を出して売却した場合は他の証券口座での売却益があったとしても損益通算は出来ないことだけ覚えておいて下さい。

おすすめ銘柄紹介

次にS株投資においてお勧めの銘柄をご紹介すます。通常は単元株でしか株主優待がもらえない銘柄が殆どですがS株投資でも株主優待が貰える銘柄もありますのでご紹介します。

銘柄コードとは株式を識別するためのコード番号を指します。

日本電産(銘柄コード6594)

優待 1株 日本電産サンキョーオルゴール記念館すわのね無料入館

解説

日本電産は世界でナンバーワンの製品を多数製造。パソコンなどに使われる小型のHDDモーターやスマホ部品製造。今後世界的に普及する可能性のある電機自動車の駆動モーターも手掛ける。

参考株価 2020年2月6日終値 14,720円

上新電機(銘柄コード8173)

優待 1株 買物優待券(1枚200円相当)(9月)

お買物2,000円ごとに1株使えます

解説

大阪市浪速区に本社を置く全国212店舗の家電量販店。実店舗だけでなくwebストアでも株主優待券を使用することが可能(券を大阪本社に簡易書留にて郵送する必要あり)

参考株価 2020年2月6日終値 2,402円

ジャパンベストレスキューシステム(銘柄コード2453)

優待 1株 キッザニア優待券

解説

24時間対応の総合生活トラブル解決サービス「生活救急車」を展開。また、会員サービス展開により固定客を多数作っている。温暖化や異常気象などで大型災害が今後も予測される為、それにより会員数増加や生活トラブル解決サービスが伸びる可能性を秘めている。

終わりに

スマホ普及と高速インターネット回線の普及によりどこにいても株式売買を簡単に行うことができる時代となりました。

超低金利政策が続いている今の日本では銀行預金だけでは全く金利はつきません。

株式投資は価格変動リスクはあるものの高配当銘柄も多く海外で売り上げを伸ばしていて今後も株価上昇が期待できる銘柄も沢山あります。

まずは身近な知っている企業にS株で投資をしてみるのも投資家の第一歩です。手軽に投資が始められるサービスを利用し、資産形成の第一歩を踏み出してみることをお勧めします。

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